安全な環境での信頼性の高い「テレワーク・ビジネス」の全国展開に向けたロードマップ
(NPO法人 JCI Teleworkers' Network)
1 テレワークに特化した「ICT基盤」の整備
JCI在宅就業支援センターの構築
経緯
平成22年度総務省事業「地域雇用創造ICT絆プロジェクト」に応募し,採択された。
採択事業
「プライベート・クラウド活用によるテレワークビジネス推進事業」
次の機能が実装された「JCI在宅就業支援センター」を構築し,強固なセキュリティで守られた,安心・安全な環境でのテレワークを実現する。
- (1) e-ラーニングシステム
- (2) 在宅業務管理システム
- (3) シンクライアントシステム
JCI在宅就業支援センターの構成

⑴「e-ラーニングシステム」によるICT教育の提供
- [1] e-ラーニングシステム使用法・在宅業務マニュアル
- [2] 基本ソフト・各種アプリケーションの使用法テキスト
- [3] 情報交換用掲示板他が実装・整備されている。
⑵「在宅業務管理システム」によるテレワークの統括的管理
在宅就業を実施する上で必要とされる項目を管理できる。
⑶「シンクライアントシステム」によるクラウドコンピュータの利用
クラウドコンピュータにアクセスしたのち,サーバ内で作業を行うため,ユーザのパソコンは,不揃い・低機能でも問題なく高機能で豊富なソフトウェアを利用して,強固なセキュリティに保護された環境での在宅業務が可能。
とくしまテレワークサポートセンターの整備
経緯
平成27年度当初に,総務省が公募した「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」に応募し,採択された。
事業の概要は,
- サテライトオフィス/テレワークセンターを拠点に,都市部の企業が人を移動させ,都市部の仕事を地方でも 変わらずにできる「ふるさとテレワーク」の環境を構築し,地域の実情や企業のニーズに応じた有効なモデルを検証。
- サテライトオフィス/テレワークセンターの拠点において,生活直結サービスを提供する機能について実証。
採択事業
「とくしまテレワークサポートセンター」をICT基盤とした,ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」~人を育て,地域を育て,未来を創るテレワーク基盤創出プロジェクト鳴門~
代表団体名 | 特定非営利活動法人ジェイシーアイ・テレワーカーズ・ネットワーク |
---|---|
代表者名 | 理事長 猪子和幸 |
共同提案団体名 | 徳島県,鳴門市,株式会社インフォ・クリエイツ,公益財団法人e-とくしま推進財団,株式会社トクジム,日本システム開発株式会社,特定非営利活動法人チルドリン 徳島,株式会社トラストバンク,特定非営利活動法人子育て支援ネットワークとくしま,合同会社 花・花,特定非営利活動法人空き家バンクで福祉のまちづくりを考える会 |
実証内容
- 本事業の中核となるICT基盤を包括した,「とくしまテレワークサポートセンター」を,徳島県鳴門市・旧川崎小学校3階に開設し,
- 「JCI在宅就業支援センター」(東京都品川区のデータセンターに管理委託,VPNネットワーク・クラウド型サーバで構成されたコンピュータシステム)を移設し,システムのレベルアップ・スケールアップを実施する。
事業イメージ図

徳島型テレワークの創出イメージ図

旧川崎小特別教室棟外観

コワーキングルーム&サーバールーム


※諸般の事情により,令和3年末に,旧川崎小から撤退。
2 e-ラーニングによる障害者IT技能養成科職業訓練」の実現




3 テレワークに特化した「ICT技術者」育成の全国展開
徳島県地域創生人材育成事業
平成27年9月に,徳島県が公募した「徳島県地域創生人材育成事業」に応募・採択され,
- 「テレワーカー育成コース(非雇用型,e-ラーニング)
- 「テレワークコーディネーター育成コース」(雇用型)
の実施が決まった。(ともに,11月2日~28年3月末,5か月/500時間)
事業の目的は,地域で必要な「人材ニーズ」に対応するため,「従来の公的職業訓練の枠組み」では対応できない人材育成を,創意・工夫に基づく新たな手法で,効果的に実施する。




実績
【科・コース設定の基本方針】
- テレワークの健全な発展に資する事業であること。
- テレワーカーとテレワークコーディネーターの育成を併行して実施すること。・訓練終了後,直ちに,参加できる「実業務」を用意すること。
- 「雇用型」以外は,全コースを,e-ラーニング方式で実施すること。
【27年度】
科・コース名 | 型 | 期間(月・時間) | 受講者 |
---|---|---|---|
テレワークコーディネーター育成科 | 雇用型 | 5か月・500時間 | 4名 |
テレワーカー育成科基礎・実践コース | 非雇用型 | 5か月・500時間 | 15名 |
テレワーカー育成科DTP・電子書籍コース | 非雇用型 | 5か月・500時間 | 27名 |
計 | 46名 |
終了者の状況
- テレワークコーディネーター育成科受講者1名を,28年度当初から,本会事務局員として雇用した。
- テレワーカー育成科Web専門コース受講者のうち8名が,本年10月から開始した「総務省Webアクセシビリティ検査業務」に,有資格者として参加している。
【28年度】
科・コース名 | 型 | 期間(月・時間) | 受講者 |
---|---|---|---|
テレワークコーディネーター育成科 | 雇用型 | 9か月・900時間 | 4名 |
テレワーカー育成科基礎・実践コース | 非雇用型 | 5か月・500時間 | 13名 |
テレワーカー育成科DTP・電子書籍コース | 非雇用型 | 5か月・500時間 | 19名 |
計 | 36名 |
終了者の状況
- テレワークコーディネーター育成科受講者の内,2名を,29年度当初から,本会事務局員として雇用した。
- テレワーカー育成科DTP・電子書籍コース受講者のうち10名が,本年5月から開始した,「JCIテキスト電子書籍化業務」に参加している。
【29年度】
科・コース名 | 型 | 期間(月・時間) | 受講者 |
---|---|---|---|
テレワークコーディネーター育成科 | 雇用型 | 8.5か月・850時間 | 4名 |
テレワーカー育成科基礎・実践コース | 非雇用型 | 5か月・500時間 | 7名 |
テレワーカー育成科DTP・電子書籍コース | 非雇用型 | 5か月・500時間 | 10名 |
計 | 21名 |
4 雇用契約に基づく在宅・フルタイム就職の実現
NULアクセシビリティ株式会社への完全在宅・フルタイム就職
【実現の要件】
- (1) 実業務に耐える専門性の高いICT利活用技術の習得
- (2) 健全な職業観の確立(自己実現,社会貢献)
- (3) 「オンサイト・ヘルプ(本会スタッフによる業務・生活の支援)」の徹底
【実現への経緯】
- 29年当初に,特例子会社設立を検討している,日本ユニシス株式会社(東証一部上場)から,
- 新設会社の業務を「ウェブアクセシビリティ検査業務」に特化し,JCI会員を,在宅勤務社員として雇用することを検討している旨の連絡を受けた。
- 7月と11月に,取締役会長・人事部長を含む関係者が,本会活動拠点・事務局を見学。
- 本会が推薦した候補者5名(重度身体障害者3名,精神障害者・知的障害者各1名)との現地面接,書類選考を経て,採用が内定し,
- 30年4月3日に,現地(徳島市)で,入社式を実施した。
- 令和元年9月11日には,同春,鴨島支援学校を卒業後,本会会員となった重度の身体障害者が,追加採用された。

徳島県勤労者福祉ネットワーク 徳島県内事業所での在宅雇用の実現
- 令和2年10月,JCI会員清野桂子さんが公益財団法人 徳島県勤労者福祉ネットワークに在宅雇用され,県内事業所での在宅雇用は,これが初めての事例となった。
- 長年のJCIの活動を通して培ったICT利活用技術の習得と,オンサイト・ヘルプの徹底により実現した。

5 ICTとくしま創造戦略への参画
『時間と場所に制約されない,新しいワーキングスタイル・ライフスタイル創出』プロジェクト

